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COLUMN

『The Mysterious Fortune』発売と、大会環境への影響考察!

2019.11.18

11月15日、最新のエクストラブースター『The Mysterious Fortune』が発売しました。

今回収録されたのは、アニメ『新右衛門編』でライバルとなる日比野エスカたちが使用する3クラン。

エスカの《グレートネイチャー》、ナナミの《ネオネクタール》、そしてトノリの《ゴールドパラディン》です。

11月現在の大会環境は【アクセル】が強いと言われています。

11月17日に開催されたWGP2019名古屋会場でも《ペイルムーン》《むらくも》《たちかぜ》などの【アクセル】クランが猛威を振るっていました。

今回収録された《グレートネイチャー》《ゴールドパラディン》も強化に注目が集まっており、多くのファイターが使用していたのが印象的でした。

 

また、クランタイプの相性で【アクセル】に強いとされる【フォース】クランの《シャドウパラディン》も、大会環境で活躍しています。

同じ【フォース】の《ネオネクタール》は、序盤から“トークン”を展開する速攻で一時は環境のトップを走っていたクラン。こちらも「アクセルの対抗」として強化に期待されていました。

 

今回は『The Mysterious Fortune』に収録された3クランの切り札について、あらためて解説させていただきます。

 

 

■すべての運命を、この手に……!「黒影の大賢聖 イザベル」

日比野エスカが使用する切り札「黒影の大賢聖 イザベル」は、スタンダード環境における《グレートネイチャー》の特性“抽選”能力の強化ユニットです。

 

「黒影の大賢聖 イザベル」

グレード3 ・パワー12000・クリティカル 1・シールドなし

ツインドライブ・アクセル

【永】【(V)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、あなたは『どちらかを行う』を両方行う。

【自】【(V)/(R)】:登場時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から1枚ドロップゾーンに置き、そのカードタイプにより以下のどちらかを行う。

・ノーマルユニット‐そのターン中、このユニットのパワー+15000。

・トリガーユニット‐この効果で山札からドロップゾーンに置かれたカードを手札に戻す。

 

これまでに登場していた「バイナキュラス・タイガー」「モノキュラス・タイガー」が持っていた『どちらかを行う』という“抽選”能力。

自分の山札の、一番上が「ノーマルユニット」か「トリガーユニット」かによって、効果が変化するギャンブル要素の高い能力です。

「イザベル」は、その能力を両方使えるようにしてしまいます。

 

そもそも“抽選”能力は、片方だけが効果を発揮する前提でコストが決められていたように思われます。

それを同じコストで両方使えるようになるということは、強さが倍になったも同然です!

『The Mysterious Fortune』の“抽選”能力は、私が見る限りちょっと控えめになっていますが、それでも両方使えればコストパフォーマンスは抜群!

“抽選”ユニットや、“抽選”を条件にパワーが上がるユニットを大量に採用したデッキが組みたくなりますね。

 

ちなみに《グレートネイチャー》は、天才的頭脳を持つ動物の集団という惑星クレイきってのインテリ集団です。

思えば“抽選”能力も、地球に住む私たちには「ギャンブル」に見えますが、未知を友とする惑星クレイの動物たちには「答えが見えている」のかも……しれません。

 

 

■美しく咲き、強く育ち、広く増えよ!「アルボロス・ドラゴン “聖樹”」

五ノ実ナナミが使用する切り札は、過去シリーズからのリメイクとなる「アルボロス・ドラゴン “聖樹”」です!

以前の「アルボロス・ドラゴン」は味方全体を強化する能力で、一説には最強の一角とも言われていました。

今回の「アルボロス・ドラゴン」《ネオネクタール》の特性である“トークン”を強化する能力となっています。

 

「アルボロス・ドラゴン “聖樹”」

グレード3 ・パワー13000・クリティカル 1・シールドなし

ツインドライブ・フォース

【永】【(V)】:あなたがコールするプラント・トークンはグレード0/パワー10000/シールド10000/クリティカル1、『ブースト』と『インターセプト』を持ってコールされる。

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを1枚退却させる]ことで、プラント・トークンを2枚まで(R)にコールし、あなたのリアガードが5枚以上なら、そのターン中、このユニットのパワー+10000。

 

冒頭でも紹介しましたが、スタンダードの《ネオネクタール》は序盤から“トークン”を展開する速攻戦略が持ち味でした。

パワー5000とはいえ、ノーコストでリアガードを展開できるのは非常に強力です。

終盤はパワー不足に陥りがちですが、トークンを能力のコストにする、あるいは【フォースⅠ】でパワーを補助することで活用することができました。

 

しかし他のクランの強化によって、速攻に頼った戦略が不安定になってきた……と思われたタイミングで、この強化です!

「アルボロス・ドラゴン “聖樹”」にライドできれば、パワー5000ではなく、パワー10000のトークンを生み出せるようになります。

後半のパワー不足が解消されたことで、《ネオネクタール》は序盤から終盤まで、高い攻撃力で攻め続けられるクランに変貌を遂げたのです!

 

【アクセル】環境と言われる現在。

13000のパワーと、攻守に強化されたトークンを使った「【アクセル】キラー」として、ポジションを確立できるでしょうか?楽しみです。

 

 

■味方をソウルに吸い込む大食漢!「憤怒の騎士 アグラヴェイル」

トノリの使う切り札は、長年のヴァンガードファンにカルト的な人気を誇る「憤怒の騎士 アグラヴェイル」

最初に登場した時の斬新な能力、そしてフレーバーテキスト「つけ上がるのはそれ位にしとけや……」の独特の口調から、ファンからは「しとけやさん」の相性で親しまれていました。

 

「憤怒の騎士 アグラヴェイル」

グレード3・ パワー12000・クリティカル 1・シールドなし

ツインドライブ・アクセル

【自】【(V)】:アタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),リアガードをすべてソウルに置く]ことで、このターンにあなたがコールしたリアガードと同じ枚数、山札を上から見て、望む枚数(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【起】【(V)】:【コスト】[【ソウルブラスト】(12)]することで、このファイト中、相手はノーマルユニット以外をコールできない。(スペリオルコールもできない)

 

味方をソウルに吸い込む能力は「空腹になるとキレる大食漢」というトノリにピッタリのユニットと言えるでしょう。

しかし、味方を犠牲にするのはちょっと悪魔的な性能です。

……それもそのはず、実はこの「アグラヴェイル」は人間(ヒューマン)ではありません。種族をよく見ると、なんと〈デーモン〉!

現在のシリーズでは「クラン設定」や「ユニット設定」はほとんど公開されていませんが、以前のシリーズにおける《ゴールドパラディン》は、ある事件をきっかけに《ロイヤルパラディン》《シャドウパラディン》が手を組んで組織された集団でした。

「アグラヴェイル」は、その当時に登場した「シャドパラ側」のユニットです。〈デーモン〉種族も、納得できる設定ですね。

 

これまで「エイゼル」軸の速攻ライド戦略が強力だった《ゴールドパラディン》ですが、味方をドンドンコールして連続アタックを仕掛ける新戦略が確立しました。

「質より量」で味方を増やし、パワー不足は【アクセル】で補って攻撃する。うまく使うためには練習が必要になりそうですが、使いこなせば大会環境でも大いに活躍するのではないでしょうか?

 

今回のコラムは、以上です。

次回は12月、ファン待望の《バミューダ△》コラムでお会いしましょう!