AKR

COLUMN

『天馬解放』発売によせて―――コーリンと宮地学園カードファイト部

2019.7.17

7月12日、ついに『天馬解放』が発売されました。

今回の収録クランは、“元”宮地学園カードファイト部の部員が使用する5クラン。

つまり、2018年12月に発売した『宮地学園CF部』と同じラインナップです。

 

先導アイチが使用する《ロイヤルパラディン》

石田ナオキが使用する《なるかみ》

小茂井シンゴが使用する《ぬばたま》

戸倉ミサキが使用する《オラクルシンクタンク》

そして、立凪コーリンが使用する《ゴールドパラディン》

 

しかしアニメを見ていただいている方はご存じの通り、今のコーリンは宮地学園の所属ではありません。

前シリーズで、アイチは「星骸者」に精神を乗っ取られたタクトに勝利しました。

しかしその影響で、タクトと精神的に深くつながっていたウルトラレアの3人は記憶を失い、また彼女たちに関する歴史が改変されてしまったのです。

 

部員5人で撮った写真からはコーリンの姿が消え、4人だけの写真に。

彼女が書いた部活動申請書のサインや部室の看板も、真っ白になっています。

人気アイドルのコーリンが入部したことで入部希望者が殺到したという過去も、あやふやな記憶になりました。

その上、カードファイト部は設立に必要な部員5名に満たない……!というところから今シーズンが始まっています。

 

しかし。

歴史は書き換えられてしまいましたが、全員が「何かを忘れているような気がする」という違和感を覚えたま。

コーリン自身も、なぜかアイチのことを良く知っている(そしてスイコやレッカにいじられる)など、違和感を抱いているようです。

 

アニメの状況を知ったうえで、今回の『天馬解放』の収録クランを見てみましょう。

《ゴールドパラディン》の収録はわずかに5種類。

良く言えば少数精鋭、悪く言えば取ってつけたような収録数となっています。

 

私が思うに、この5種類は「宮地学園カードファイト部」と「コーリン」の絆を暗示しているような気がするのです。

 

今はアイチたちの仲間として一緒に戦う立場にはないコーリンですが、5種類の収録とは言え、確かに“ここ”に存在する。

この5種類は「宮地学園にはいない。しかし、コーリンは一緒にいさせたい」と議論があって入れられた5種類なのではないかなとも思えるのです。

アイチたちとコーリンは、このセットの中で共にある!

 

物語は、コーリンたちウルトラレアがオフィシャルサポーターを務める「ヴァンガード甲子園」が始まり、ライバルたちとの熱いファイトが始まります。

その一方で、コーリンとカードファイト部の記憶がどこかでつながるかもしれない……という物語にも注目したいですね。

 

■『天馬解放』の注目カード

スタンダード環境のヴァンガードは、新しいセットのたびに大会で使用されるクランが移り変わっている状況です。

3月の発売から人気を維持している《バミューダ△》もありますが、やはり新しいカードは気になるところ。

今回は、個人的な注目カードを3枚ピックアップして、分析してみます。

 

「孤高の騎士 ガンスロッド」

アイチの分身である「ブラスター・ブレード」がいるサークルをヴァンガードサークルにしてしまうという、かなり特殊な能力を持っています。

前代未聞の能力なだけに、能力が明らかになってからは『週刊ヴァンガ情報局』などで多くのQ&Aが公開されました。

できることは、大きく以下の3つです。

 

1、ドライブチェックができる!

元々のヴァンガードである「ガンスロッド」と共にドライブチェックができるため、1ターンに3回以上のドライブチェックが可能になります。

これが強力であることは、言うまでもないでしょう!

 

2、ヴァンガードでの能力が使える!

スタンダード環境の「ブラウスター・ブレード」は、リアガードが4枚以上の時にクリティカルを上げる能力を持っています。

ヴァンガードサークルにいれば、この能力も使えるようになります!

 

3、ライドできる。

ヴァンガードとなった「ブラスター・ブレード」の上には、グレード2か3のユニットをライドできます。

ライドすると「ブラスター・ブレード」はソウル(「ガンスロッド」の下)に置かれ、そのサークルはリアガードサークルに戻ります。

基本的にはあまり意識しなくてもいいのですが、これを利用したコンボもあったりします。

 

ガンスロッドは、アルフレッドと並ぶブラスター・ブレードの戦友です。

ブラスター・ブレードが愛用の剣を失った際、ガンスロッドの剣を借りて戦ったこともあります。

「アルフレッド」を軸にしたデッキは「ブラスター・ブレード」を山札などから呼び出すことができ、より“安定感”を重視した動きになります。さすが国王。

対して「ガンスロッド」を軸にした場合は「ブラスター・ブレード」と並んだ時の攻撃性能が非常に高く、より“アグレッシブさ”を重視した動きになります。

「ガンスロッド」は、何よりドライブチェックが増えるというのはが楽しい切り札。ぜひ一度試してください。

 

「抹消者 ガントレッドバスター・ドラゴン」

ナオキが使用する《なるかみ》の新たな切り札です。

直情型で、ちょっと喧嘩っ早いナオキらしく、特筆すべきはスピードと破壊力!

コストを払って相手の前列を除去するという能力は他の《なるかみ》にも見られますが、パワーとクリティカルが大幅に上がる能力は「ガントレッドバスター」の大きな強みです。

そして、最初のライドから攻撃力が大幅にアップするという超速攻型の性能!

能力には手札をコストにするため防御面は不安ですが、攻撃は最大の防御の精神ですね。

 

これまでの切り札「デトニクス・ドリルドラゴン」も最初のライドから高い攻撃力が出せる速攻型、さらに手札コストが必要という点も共通しています。

どちらもナオキのキャラクターを体現していると言えるでしょう。

 

「光輝の獅子 プラチナエイゼル」

少数精鋭の収録となった《ゴールドパラディン》の新たな切り札です。

ドライブチェックの際、山札の上2枚を見て、好きな方をコールする能力を持ちます。

そしてもう1枚は、トリガーゾーンへ。

コールは《ゴールドパラディン》らしい能力ですが、トリガー操作の能力として見ると《オラクルシンクタンク》の能力を思わせます。

 

アニメ前シリーズのラストで、コーリンはミサキと言葉を交わしています。

「私は絶対に忘れない!知っているでしょう、私の能力!」

「直観像記憶(アイデテック・イメージ)……あなたの能力が、運命力による修正にどこまで抗えるかわからないけど……持っていて」

コーリンは宮地学園カードファイト部との絆として、ミサキに髪留めを手渡しています。

 

《オラクルシンクタンク》を使うミサキとのつながりをイメージした能力と考えると、この「プラチナエイゼル」は強さだけではない魅力がありますね!

 

今回はここまでです。

次回は8月発売の『幻馬再臨』のコラムでお会いしましょう!

(ライター:神田一)